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  • mhojo58

要点を簡潔に!

更新日:2022年12月6日

 我々弁護士は物ごとの要点を簡潔に表現することは、ある程度日々の業務で培われています。その他、大半のビジネスパーソンも仕事の上で報告、連絡、相談等をする場面でそのようなことは鍛えられているのではないでしょうか。

 ただ、中には要点をまとめるのが苦手な方もおられます。以前、次のような相談がありました(個人特定防止の観点からフィクションを加えています)。

 相談者「東京にいる娘が、親孝行といって阿蘇のホテルを取ってくれたんです。ありがたいものです。夫が運転する車で行ってきました。お料理は山の幸中心のおいしい料理で、お風呂も阿蘇山を一望できる露天風呂があって、本当によかったです(以下、そのお宿のよかったところを数分語る)

 私「なるほど、それはよかったですね(何の相談だろう??)」

 相談者「あーそう、娘は東京の大学を出て、今、なんて言ったっけ?〇〇〇というCMをやっている会社があるでしょう?」

 私「〇〇社ですか?」

相談者「そーそー、そこです!そこでまだ30代半ばなんですけれど、けっこう重要な仕事を任されているとかで、会社初の女社長になれるとか、上司の方は冗談めかしておっしゃっていたんですよ。私にとってはまだまだ至らない娘ですけどね。でも夫が遊び人で、登山のサークルに入っているんですが、今山ガールっていうの?若い女性にも人気じゃないですか。そのサークルに懇意の女性がいるんじゃないか、なんて娘は言ってましたわ」

 私「それはいけませんねー(娘夫婦の離婚問題?)」

相談者「それで、翌朝、チェックアウトして、大観峰を回って帰ろうということで、外輪山の尾根つたいに車を走らせました。これも絶景で、雲海っていうのかしら、阿蘇の中で雲が覆われて、阿蘇五岳が雲の上に浮かんでいるような光景が見えて、感激しました(以下眺めの美しさを数分語る)

 私「…、申し訳ありません、あと10分しかないので、どのような相談か、要点をおっしゃっていただけますか?」

 そのあと、私の方から色々聞いてみると、結局「帰り道で他人の家の壁に衝突して破損させてしまったが、請求されている修理費用が思いのほか高額で困っている」というものでした。それだけなら2,3分で伝えられることなのに、「前置き」に20分強使ってしまったのですね。

 もちろん、これは私が交通整理をして、要点を絞って話していただくというスキルの乏しさにもよることです。しかし、法律相談も時間が限られています。時間の中でできるだけ有効なアドバイスができるよう、相談の前には要点がどこか、お考えいただければ助かります。

 





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