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  • mhojo58

秋を感じさせる名盤



 「秋を感じさせる」というか、秋そのもののジャケットですね。アメリカのロックバンド「オールマン・ブラザーズ・バンド」の1973年の作品「ブラザーズ&シスターズ」です。紅葉の森林をバックに、落ち葉の広場で佇む子供。ほほえましいジャケットですが、当時のバンドの実情としては、バンドの看板であるギタリスト、デュアン・オールマンに続いてベーシストのベリー・オークリーが相次いで事故死して(二人ともオートバイ事故で享年24歳、若い…。ちなみに裏ジャケットの女の子がベリーの娘さん)大変な時期にありました。主要メンバーが二人いなくなってしまったら、普通はバンド自体立ちいかなくなるような気がしますが、このバンドは残ったメンバーでアルバムを作り上げ、しかもそれが大ヒットするという快挙を成し遂げます。それまでの代表的なメンバーがいなくなっても、残されたメンバーで頑張ってバンドが続いていき、以前と同様に活躍するというのは、他にもピンク・フロイドとか、日本ではフジファブリックなどがありますが、組織論として非常に興味があります。代表者1名が全てを取り仕切るワンマンではこうはいかず、他にも有能な人がいて役割や権限が分散しているということが必要な気がします。

 このアルバム以前は、デュアンの手に汗握るギターワークがバンドの売りでしたが、このアルバムでは、そのような緊張感は薄れ、ややリラックスしたおおらかな感じがします。残されたもう一人のギタリスト・ディッキー・ベッツの趣味であるカントリー風味が加わり、アメリカの大地を思わせる、ゆったりとした楽曲が詰まっています。ディッキーのギターは、ロックギタリストにしてはあまり音を歪ませず、クリーンに近いトーンで伸び伸びと弾くのが特徴ですが、これが心地よいのです。

 このアルバムを聴くと、アメリカの錦秋の大山脈を貫くハイウェイを、大きな車でゆったりと走っていくようなイメージが頭に浮かびます。コロナでなかなか海外旅行には行けなくなりましたが、せめてこういった曲を聴いてアメリカを脳内旅行したいと思います。

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