弁護士を20年もやっていると、よほど複雑なものや高度に専門的なものでない限り、相談を聞いてみるだけで、大体の事件の方向性や相談者・依頼者自身の人柄・キャラクターがおおよそ見えてくるようになります。新人弁護士のころ、ボス弁護士から「あの手の依頼者は後で色々クレームを言ってくるから気を付けた方がいいよ」とか、「この事件はこんな落とし穴がありそうだよ」などとアドバイスを受けて、実際そうなったことがあります。長く弁護士をやっていると、いわゆる肌感覚で分かってくるものがあるのですね。
これは長年弁護士として相談を受けて事件を引き受けた経験から帰納される、いわゆる経験則であって統計学的に分析したものではないので、うまく論理的に説明し難いものがあります。今をときめく「ひろゆき」さんのパワーワードである「それってあなたの感想ですよね?」と言われたらそうなのかもしれません(実際にそう言った方はいませんでしたが)。それでも経験に裏打ちされたものなので、単なる感想ではないと思います。
というか、法律の知識については各種書籍や今ではネット上にたくさん散らばっていますので、それを踏まえた経験というものがむしろ弁護士の財産、飯のタネとも言えましょう。 そういった意味では、20年のキャリアとはいえまだ手掛けていないジャンルもありますので、今後もいろんな事件を手掛けて、より市民の皆様に役に立つように精進していきたいと思います。
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